1.調査要領
(1)調査対象
対象地区 加治川商工会地区内小規模事業者
調査企業数 108 事業所 (うち小規模事業者数 99 事業所)
回答企業数 33 事業所 (うち小規模事業者数 28 事業所)
(回答率 30.6% )
(2)調査対象期間
平成29年7月~平成29年12月
(調査時点 平成29年12月1日)
(3)調査方法
経営指導員等による巡回または窓口によるヒアリング調査
(4)調査対象と回答企業の構成
調査対象 有効回答
企業数 構成比 企業数 構成比
製造業 17 15.7% 7 21.2%
建設業 45 41.7% 11 33.3%
卸・小売業 22 20.4% 8 24.2%
サービス業 24 22.2% 7 21.2%
合計 108 100.0% 33 100.0%
2.地域内産業全体の景況概要
前年同期、前期、今後とも不変と答えている事業者が多いが、各指標とも増加、上昇より減少、低下が上回っており、大手企業や都市部に比べ地方の小規模事業者の経営環境は依然として厳しさが続く傾向と言える。
ただし、今後の見通しで好転と考えている事業所が0件となっており、先行きは非常に厳しいことが伺える。
【後継者の状況】
後継者について回答した31社のうち後継者なしが後継者ありを20%上回っており、半数以上の事業者に後継者がいない状況である。特に小売・サービスで後継者なしの回答が多くなっている。
後継者 あり 13事業所 41.9%
後継者 なし 18事業所 58.1%
【売上高】
昨年の調査時に比べ、前年同期比、前期比で減少と回答した事業所の割合は減っているものの、不変と減少の事業数は全体の4分の3であり、今後の見通しについては不変が最も多くなっている。増加と回答した事業所はわずか3社で、売上については多くの事業者で今後も厳しい状況が続く見通しである。
前年同期比 前期比 今後の見通し
増加 不変 減少 増加 不変 減少 増加 不変 減少
8 14 21 9 12 12 4 16 13
【採 算】
採算については、不変・悪化と回答している事業者が全体の8割以上と、非常に厳しい状況である。今後の見通しついて好転の兆しはなく、全体として悪化していく見通しの事業所が最も多い。
前年同期比 前期比 今後の見通し
好転 不変 悪化 好転 不変 悪化 好転 不変 悪化
4 17 12 6 15 12 0 17 16
【仕入単価】
仕入れ単価については、全体を通じて不変が多いが、全体の3割が上昇と回答しており、仕入れ単価の上昇が採算を圧迫している可能性が高い。
今後のこの傾向は続くと考えられ、さらなる仕入れ単価の上昇が、更に採算性を圧迫し、事業所の利益を減少させる要因となることが予想される。
前年同期比 前期比 今後の見通し
上昇 不変 低下 上昇 不変 低下 上昇 不変 低下
11 18 2 10 19 2 11 18 2
【販売(客)単価】
販売単価については、全期を通じて不変が最も多くなっており、売上の傾向と比べた場合、客数が減少しているため売上が低下していると言える。
前年同期比 前期比 今後の見通し
上昇 不変 低下 上昇 不変 低下 上昇 不変 低下
2 20 9 2 20 9 2 19 10
【資金繰り】
資金繰りについては、全期を通じて不変が最も多い。これを採算の傾向と比べると、資金繰りが悪化と答えた事業者は、採算で悪化と答えた事業者より少なくなっており、不変と答えた事業者が増えている。今後の見通しは不変もしくは悪化となっており、今後仕入れ単価の上昇・採算の悪化等により資金繰りが悪化する事業所が増えてくる可能性がある。
前年同期比 前期比 今後の見通し
好転 不変 悪化 好転 不変 悪化 好転 不変 悪化
1 27 5 1 27 5 1 26 6
【雇用動向】
雇用動向は、全期を通じて不変が最も多くなっているが、減少と回答している事業者が約3割となっている。人手不足が深刻化する中、人材の確保が課題となっている事業所が増加傾向にあり、今後も人材の確保が非常に困難になってくることが予想される。
前年同期比 前期比 今後の見通し
増加 不変 減少 増加 不変 減少 増加 不変 減少
2 21 9 2 21 9 2 19 11
【景況判断】
景況判断については、全期を通じて不変が最も多いが、悪化と答えた事業者が好転と答えた事業者より圧倒的に多くなっている。今後の見通しも約半数が不変、もう半数が悪化と回答しており、好転と回答した事業所は0件であった。好景気と言われているが、地方の事業者にとっては、好転の兆しが見えない非常に厳しい状況である。
前年同期比 前期比 今後の見通し
好転 不変 悪化 好転 不変 悪化 好転 不変 悪化
4 15 13 3 15 14 0 16 16
【経営上の問題点】
経営上の問題点
3.産業別景況概要
(1)製造業
売上、採算性とも、前年同期、前期とも増加・好転が最も多く、今年度については好調であったことが伺える。しかしながら、今後の見通しとしては、不変・減少回答しており、見通しは厳しい。仕入単価は、上昇と回答している事業所が不変と回答している事業所り多く、単価は上昇しつつも採算性は好転しており、十分に売上に転嫁できていると思われる。資金繰りの状況は不変であり、良くも悪くもない状況と思われる。雇用動向は若干悪化しており今後も厳しい状況となることが予想される。景況判断については、好転と回答した事業所もあり、全体としてはそれほど悪化していないと推察される。経営上の問題としては、仕入単価の上昇、販売価格への転嫁難、従業員の確保が上位に挙げられている。
回答したの事業所のほとんどで後継者ありとなっている。
(2)建設業
売上については、不変もしくは減少と回答した事業所がほとんどである。採算性についても不変もしくは悪化と回答しており、厳しい状況が伺える。仕入単価も上昇傾向であり、今後も上昇することが予想され、売上が伸びない中、さらに採算を悪化させかねない。販売単価、資金繰り、雇用動向、景況判断については、不変が最も多くなっていた。経営上の問題点は、受注・販売競争の激化、人件費以外の経費の増加、従業員の確保の順となっている。
また、従業員の確保が非常に難しくなっており、今後人手不足による受注減等が懸念される。
約半数の事業所で後継者ありと回答しているが、なしと回答した事業所での後継者対策が急務となっている。
(3)卸・小売業
売上については、前期、前年同期、今後に掛けて減少が最も多く、地域の小売業が非常に苦戦している状況となっている。採算性も悪化し、仕入単価も上昇している。
販売単価と資金繰りは、不変と低下・悪化が同数で上昇・好転はない状況である。景況判断については、全期を通じて悪化が最も多く、来年も小売業にとっては厳しい状況が続くと考えている事業者が多い。経営上の問題点としては、同業者・大型店等の進出が最も多く、次いで需要の停滞、販売競争の激化となっている。人口減少による需要の停滞と近隣の大型店の影響が当地区の小売業の経営に大きな影響を与えている。
また、後継者については、4分の3の事業所でなしと回答しており、今後の地域の小売業の後継者対策が非常に重要な課題である。
(4)サービス業
売上については、前年同期比、前期比ともに不変が最も多いが、今後の見通しについては悪化と回答している事業所が増えてきている。採算についても売上と同じく徐々に悪化が増えている。その他の仕入れ単価、販売単価、資金繰り、雇用動向、景況判断についても全期を通じて不変が最も多いが、販売単価は減少が徐々に増えてきており、販売単価の減少がそのまま売上の減少につながっていることが伺える。経営上の問題点としては、需要の停滞が最も多く、次いで店舗・設備の老朽化、仕入単価の上昇、人件費以外の経費の増加、販売価格への転嫁難、従業員の確保が同率で続いている。需要の停滞により売上や販売単価が上昇しない原因と考えられる。
後継者については、ほとんどの事業所で後継者がおらず、小売業と同じく後継者対策が非常に重要な課題となっている。