1.調査要領
(1)調査対象
対象地区 加治川商工会地区内小規模事業者
調査企業数 88 事業所 (うち小規模事業者数 79 事業所)
回答企業数 39 事業所 (うち小規模事業者数 33 事業所)
(回答率 44.3% )
(2)調査対象期間
平成28年7月~平成28年12月
(調査時点  平成28年12月1日)
(3)調査方法
経営指導員等による巡回または窓口によるヒアリング調査
(4)調査対象と回答企業の構成
調査対象 有効回答
企業数 構成比 企業数 構成比
製造業 15 17.0% 8 20.5%
建設業 39 44.3% 14 35.9%
卸・小売業 22 25.0% 7 17.9%
サービス業 12 13.6% 10 25.6%
合計 88 100.0% 39 100.0%
2.地域内産業全体の景況概要
前年同期、前期、今後とも不変と答えている事業者が多いが、各指標とも増加、上昇より減少、低下が上回っており、大手企業や都市部に比べ地方の小規模事業者の経営環境は依然として厳しさが続く傾向と言える。
【後継者の状況】
回答39社のうち後継者なしが後継者ありを7.6%上回っており、半数以上の事業者に後継者がいない状況である。特に小売・サービスで後継者なしの回答が多くなっている。
後継者 あり 18事業所 46.2%
後継者 なし 21事業所 53.8%
【売上高】
半数以上の事業者が前年同期比が減少であり、前期と比べると不変と減少が同数であり、今後の見通しについては不変が最も多くなっている。売上については、多くの事業者で今後も厳しい状況が続く見通しである。
前年同期比 前期比 今後の見通し
増加 不変 減少 増加 不変 減少 増加 不変 減少
9 10 20 10 14 14 6 19 14
【採 算】
採算については、売上の傾向と比べると全期間において不変が増加しているが、前年同期比については悪化が不変を上回っている。採算については、今後もあまり変わらないと考えている事業者が多い。
前年同期比 前期比 今後の見通し
好転 不変 悪化 好転 不変 悪化 好転 不変 悪化
4 16 19 8 16 14 5 20 14
【仕入単価】
仕入れ単価については、全体を通じて不変が多いが、上昇が低下を上回っており、仕入れ単価の上昇が採算を圧迫していると考えられる。
前年同期比 前期比 今後の見通し
上昇 不変 低下 上昇 不変 低下 上昇 不変 低下
10 24 5 7 26 5 13 23 2
【販売(客)単価】
販売単価については、全期を通じて不変が最も多くなっており、売上の傾向と比べた場合、客数が減少しているため売上が低下していると言える。
前年同期比 前期比 今後の見通し
上昇 不変 低下 上昇 不変 低下 上昇 不変 低下
4 26 8 3 25 9 3 25 9
【資金繰り】
資金繰りについては、全期を通じて不変が最も多い。これを採算の傾向と比べると、資金繰りが悪化と答えた事業者は、採算で悪化と答えた事業者より少なくなっており、不変と答えた事業者が増えている。
前年同期比 前期比 今後の見通し
好転 不変 悪化 好転 不変 悪化 好転 不変 悪化
4 25 10 4 23 11 3 25 11
【雇用動向】
雇用動向は、全期を通じて不変が最も多くなっている。これは回答事業者のうち従業員数0人と1~2人の事業者が20社あり、小規模事業者の多くが家族のみで経営していることに起因していると言える。
前年同期比 前期比 今後の見通し
増加 不変 減少 増加 不変 減少 増加 不変 減少
5 31 3 5 27 6 1 34 4
【景況判断】
景況判断については、全期を通じて不変が最も多いが、悪化と答えた事業者が好転と答えた事業者より圧倒的に多くなっている。景況については、今後も厳しい状況が続くと考えている事業者が多い傾向である。
前年同期比 前期比 今後の見通し
好転 不変 悪化 好転 不変 悪化 好転 不変 悪化
2 20 17 4 20 14 1 23 15
【経営上の問題点】
「需要の停滞」が17で最も多く、次いで「受注、販売競争の激化」「従業員の確保」が12、「店舗、設備等の老朽化」「人件費以外の経費増加」10、「仕入れ単価の上昇」9が、回答の中では多くなっている。特に「需要の停滞」と「従業員の確保」が全業種を通じて回答数が多かった。
経営上の問題点
3.産業別景況概要
(1)製造業
売上は、前年同期、前期とも減少が最も多いが、今後の見通しとしては、減少から不変に転じている事業者もいる。また、採算については、全期を通じて悪化が多いが、前期比に関しては不変が0で増加と減少が同数となっており、平成28年は後期に入って採算が改善されてきた事業者も見られる。その他、仕入単価、販売単価、雇用動向は不変が最も多くなっているが、資金繰りについては、好転・不変・悪化ともほぼ同率であるが、他の業種に比べ好転と答えた事業者が多くなっている。しかし、景況判断については、全期を通じて悪化と答えた事業者が最も多い。経営上の問題としては、需要の停滞、仕入れ単価の上昇、設備の老朽化、従業員の確保が上位に挙げられている。
(2)建設業
売上については、減少傾向であるが前期比に関しては増加が減少を上回っている。しかし、採算については、不変・悪化が多く、今後の見通しで好転を挙げている事業者は2事業者となっている。その他の仕入れ単価、販売単価、資金繰り、雇用動向、景況判断については、不変が最も多くなっていた。経営上の問題点は、受注・販売競争の激化、需要の停滞、人件費以外の経費の増加、従業員の確保の順となっている。 当地域においては、大手ハウスメーカーの進出による競争の激化や公共工事の減少などの需要の停滞による売上の減少傾向が経営に大きな影響を与えている。
(3)卸・小売業
売上については、前期、前年同期、今後に掛けて減少が少なくなり不変が多くなってきている。仕入れ単価については、不変が最も多いが今後上昇すると考えている事業者が多くなっている。販売単価と資金繰りは、不変と低下・悪化がほぼ同数で上昇・好転は少ない状況である。景況判断については、全期を通じて悪化が最も多く、来年も卸・小売業にとっては厳しい状況が続くと考えている事業者が多い。経営上の問題点としては、需要の停滞が最も多く、次いで販売競争の激化、同業者・大型店等の進出、従業員の確保が同率で続いている。やはり、人口減少による需要の停滞と近隣の大型店の影響が当地区の卸・小売業の経営に大きな影響を与えている。
(4)サービス業
売上については、前年同期比で減少が最も多いが、前期比、今後の見通しにかけて減少が少なくなり、不変が増えてきている。採算についても売上と同じく徐々に悪化が減り不変が増えている。その他の仕入れ単価、販売単価、資金繰り、雇用動向、景況判断についても全期を通じて不変が最も多いが、今後の見通しにおいて、仕入れ単価の低下予想が0であり、客単価、雇用動向の増加も0、また景況判断の好転も0と来期以降の経営の厳しさを感じている事業者が多い。経営上の問題点としては、店舗・設備の老朽化が最も多く、次いで需要の停滞となっており、その後に仕入れ単価の上昇、人件費以外の経費の増加、事業資金の借入難、従業員の確保が同率で続いている。サービス業においては、大型店の影響が少ないためか、競争の激化を挙げた事業者が少なく店舗・設備の老朽化を問題視している事業者が多いのが特徴である。